蔵王と城と茂吉のふるさと
6月末日、『ウッディファーム&ワイナリー 』さんを訪問してきました。
山形県上山市に2012年設立された、山形県内では12番目のワイナリーです。
優しさとぬくもりを感じる、木がたくさん使われた”ウッディファーム”という名前通りの外観。
上山市は蔵王連峰の南西山麓、村山盆地の南端にあります。
① ”夏暑く冬寒い・昼暑く夜涼しい”という盆地特有の気候!
② 年間でも降雨量が少ない!!
③ 日当たりの良い斜面がたくさん!!!
以上の三点が相まって、自然農法が盛んで、ぶどう・さくらんぼ・西洋梨などの果樹栽培はもちろん、稲作も行われている地域です。
また、市中心街には上山城が聳え、全国でも珍しい城下町・宿場町・温泉町の3つの顔を合わせ持ちます。季節の変化に富み、美しい自然や温泉などの地域資源にも恵まれた、山形県内有数の観光地です。
ウッディファームさんがある場所は、山に囲まれた上山盆地です。栽培から醸造・熟成・瓶詰めを行う、ドメーヌスタイルのワイナリーと果樹園を運営しております。
果樹を通してこの土地でしかできないこと
栽培されているブドウ品種は、スペインやポルトガルなどの大西洋沿岸部で栽培されているアルバリーニョと、仏・南西部のピレネー山脈で栽培されているプティ・マンサンが中心です。他にもカベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネが畑ごとに栽培されいます。
創業以来徹底していることは、全ての畑で除草剤や化学肥料を一切使わないこと、そして化学合成農薬の使用量を半減させているということ。それらは、どのヴィンテージにおいても一貫していて、山形県特別栽培農産物の認証を受けています。
メイン品種のひとつ、アルバリーニョの畑です。減農薬・有機栽培の為、足元も緑の草で覆われていました。
シャルドネの畑は、一本ずつ枝が規律正しく並ぶ『一文字短梢仕立て』と呼ばれる方法で植えられています。人が入りやすく、効率よく仕事ができる栽培方法です。
標高300m~350mに位置する、一番高い場所にある畑のブドウはシラー。以前からあった古木を伐採してシラーを植えたそうです。まだ2年目なので、ワインになるにはあと数年が必要だそう… 楽しみですねぇ。
近くには、ココファームワイナリーさんの委託栽培の畑もありました。
比較的標高の低い畑にはプティ・マンサンが。標高の高い畑とは土の色にも変化があり、こちらは水分を含んだ黒土です。
プティ・マンサンは、収穫時期を2ヵ月ほどの期間を開けて数回に分けて収穫し、ブドウの完熟度にバリエーションを持たせた原酒を醸造。それらをブレンドしてワインをリリースしています。
ワイナリーの個性から生まれる風土を活かしたワイン
敷地内にある醸造所は、『グラビティーフロー』を採用しています。
ポンプで果汁を移動するのではなく、重力によって果汁を流します。
醸造所2階で除梗・破砕をし、自然な重力の力により1階のタンクへ流すことで、できるだけ果汁に負担を与えず、人的労力を少なくする方法です。
100%自社栽培だからこそできる細部までの徹底した管理は、ウッディファームさんのこだわりであり強みです。
国産品種や日本の他の地方で栽培が確立されているブドウではなく、厳しい環境での栽培実績がある品種にあえて挑戦し、他のワイナリーとは違う『個性』でアプローチしています。その個性から出来上がるのは、品種特性・土地・風土のポテンシャルを十分に生かした、『山形・かみのやまの自然環境がテーマ』となるワインです。
まさに、”果樹を通してこの土地でしかできないこと”というウッディファームさんのコンセプトがワインに表現されています。そのぶれないコンセプトも個性となり、ワイナリーの想いとなって、飲んだ方へと真っ直ぐ届いているように感じました。
上山市では現在3つのワイナリーが稼働してますが、現在準備中のワイナリーを含め8つになる予定とのこと。今後もますます目が離せないこの地域と、ウッディファームさんの魅力を伝えていきたいと思います。
金原さん、ウッディファーム&ワイナリーの皆様、貴重な時間をありがとうございました。
蔵王ウッディファーム&ワイナリー
〒999-3212 山形県上山市原口829
TEL:023-674-2343
http://www.woodyfarm.com/
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