【簡単解説】オレンジワインとは

みなさんこんにちは。
いつもお世話になっております、吉田酒店です。

今回のブログはオレンジワインについてです。
私事ではありますが、先日グラヴネルさんのワインを飲む機会に恵まれました。

あまりにも壮大なスケールのワインに心を揺さぶられた結果、このテーマで書いてみることに…。(グラヴネルさんに関しては後ほど登場します)

赤・白・ロゼに続く、新らしい選択肢として急激に広まった”オレンジワイン”。
実際に飲んだことがある方も、飲んでみて好きになった方も多いはず。
しかし、いざ調べてみるとなると…という方に読んでいただきたいです。

5分ほどで読み終わります。

どのように造られるのか?

オレンジワインといっても、原料にオレンジを使ったフルーツワインのことではありません。
ブドウから造られるワインで、見た目がオレンジ色をしていることからその名で呼ばれています。このオレンジワインという呼び名は、イギリスのワイン商人が2000年代に作った造語です。
ではなぜオレンジ色なのか? 赤・白・ロゼワインとはどこが違うのでしょうか?

一言でいうと、『白ブドウを使って赤ワインの造り方をしているワイン』オレンジワインです。

ワインを造るブドウ品種には、大きく分けると2種類のブドウ品種があります。赤ワインには色素(ポリフェノール)のある黒ブドウ品種、白ワインには色素の少ない白ブドウ品種が使用されます。

ここでワイン造りの基本をおさらいしてみます。

白ワインは最もシンプルな製造法です。白ブドウの皮と種を取り除き、果汁だけを発酵させることで造られます。
一方、赤ワインは黒ブドウをまるごと使い、皮や種の成分を抽出して造ります。黒ブドウの皮と種を果汁と一緒に発酵させることで、含まれる色素が溶けだして赤ワインになります。
ロゼワインの場合はいくつか方法があり、その内の一つに“直接圧搾法”と呼ばれる製法があります。この方法を簡単に言うと『黒ブドウを使って白ワインのように造る』ということです。黒ブドウを圧搾する際に、皮から色素が移りピンク色になった果汁を、白ワインと同じように醸造します。

「じゃあオレンジワインは?」と言いますと、白ブドウをまるごと使って造ります。ブドウの皮や種に含まれるポリフェノールやタンニンなどが、ワインにほのかな色合いと渋みを与えるのです。
ただ、白ブドウの皮には赤い色素(アントシアニン)は含まれておらず、かわりに黄色い色素が溶けだすのでオレンジがかった色調になります。

簡単にまとめますと…

◆白ブドウを果汁だけで造ると白ワイン
◆黒ブドウを皮も種も漬け込んで造ると赤ワイン
◆黒ブドウを果汁だけで造るとロゼワイン(100%この方法ではありませんが)

◆白ブドウを皮も種も漬け込んで造るとオレンジワイン

ということです。

オレンジワインの歴史

オレンジワインの起源は黒海沿岸部の国、ジョージア(旧グルジア)とされています。

近年急激に広まった感がありますが、8000年も前からクヴェヴリという土の中に埋めた素焼きの甕の中に、白ブドウをまるごと入れてオレンジワインを造っていました。今でもこの造り方は受け継がれており、2013年にはユネスコの無形文化遺産として登録されています。
ジョージアでは8000年も前からワイン造りに用いられていたクヴェヴリですが、この伝統的な方法を今のワイン界に広めたのがヨスコ・グラヴネルさんです。

イタリア北部・フリウリ州の造り手であるグラヴネルさんは、理想のワインを造るために様々な醸造方法を行っていました。1997年に白ブドウを皮と種と一緒に発酵させる方法を試し、2001年にはクヴェヴリを導入しています。新しい醸造方法を試してみようという技術上の動機から始めたのではなく、自身の考えでワイン造りの原点に立ち返っていったのです。

彼の考え方がイタリア国内のワイン生産者たちに影響を与え、刺激し、広まっていきます。そして、ジョージアワインの流通が盛んになったこともあり、オレンジワインはさらに一般的に。
ヨーロッパの国々はもちろん、オーストラリアやカリフォルニア、日本でも造られています。世界最古の製法が、世界の新しい潮流の一つなっているのです。

オレンジワインの造り方に厳密な定義はありません。クヴェヴリに入れて発酵させるジョージアのようなスタイルもあれば、木樽やステンレスタンク、コンクリートタンクでの発酵など様々な方法があります。
果汁と一緒に、皮や種をどのくらい漬け込んでおくかによって、味や色合いはかなり変わりますが、これにも決まりはありません。1週間だけ漬け込んでも良いし、3ヶ月以上漬けておく場合もあります。

料理との相性

このような造り方からオレンジワインは、『白ワインのような飲み心地と爽快さ+赤ワインのライトな渋みとボリューム感』を併せ持つワインとなります。ただ、オレンジワインも赤・白・ロゼワインと一緒で、その味わいは様々です。

うま味を強く感じるタイプの場合は味噌や醤油を使ったお料理とオススメ。もつ煮込みやウナギの蒲焼きとも合わせていただきたいです。貝の出汁とも相性がいいので、酒蒸しやクラムチャウダーなどにもよく馴染みなす。タンニンを強めに感じるタイプの場合は、シンプルにローストした豚肉や鶏のモモ肉と高相性です。
また、フルーティーかつスパイシーさも兼ね備えているタイプは、香辛料が豊富なインド料理や中華料理と一緒に飲んでみてください。料理の中の刺激と旨みのバランスが、オレンジワインといい塩梅に重なります。

まとめ

非常に簡単にですがオレンジワインについて書いてみました。ちなみにですが、フランスのジュラ地方には「ヴァンジョーヌ=黄色いワイン」と呼ばれるワインがあり、ポルトガルには「ヴィーニョヴェルデ=緑のワイン」と呼ばれるワインがあります。
お酒の色や味わいだけでなく、その背景にある造り方の歴史や生産者の思いを知ることも、お酒の楽しみ方のひとつです。