【ペアリング】牡蠣とワインの仲は本当?

みなさんこんにちは。
いつもお世話になっております、吉田酒店です。

だいぶすごしやすい気候になりました。外を歩いていると金木犀のいい香りが…。
秋です!そう、食欲の秋です!!
飲食店の方のSNSを眺めていると、食材もお料理も秋色になっております。

色々な食材が旬を迎えますが、今回のブログは牡蠣にスポットを当ててみました。

大昔からみんなに愛されてきた牡蠣。縄文時代の貝塚の食品リストを調べると、ハマグリやアサリと並んで牡蠣の出土遺跡がとびぬけて多いそうです。生きていくための採集の結果だと思いますが縄文人はグルメな人が多かったようです。

私たちが住んでいる宮城県仙台市は、地元はもちろん、東北中から集まるたくさんの食材に恵まれています。その中でも宮城県沿岸部の三陸は、世界三大漁場にも数えられる豊かな海です。宮城県で一般的に親しまれている牡蠣は「真牡蠣」という種類で、10月から4月までが漁期に当たります。養殖も盛んで、ヨーロッパではローマ時代、日本では室町時代から試行錯誤が繰り返されてきたと言います。また、真牡蠣とは反対で夏に旬を迎えるのが「岩牡蠣」です。秋田県の象潟(きさかた)、石川県の能登が有名で、最近では佐賀県の有明、長崎県の五島列島などもおいしい岩牡蠣の産地として挙げられています。ちなみにですが、宮城県にある通年営業の牡蠣小屋さんでは、真牡蠣も岩牡蠣も楽しむことができます。

ワインと牡蠣の関係

ワインと牡蠣の相性は非常によく語られるテーマです。様々ないい意見があります。しかし、否定的な意見も多く、まさに諸説入り乱れている状態。”牡蠣とシャブリ”それから”牡蠣とシャンパーニュ”。もはやペアリングの代表格と言われるくらい認知されております。だからといって、「シャブリやシャンパーニュなら何でもいいんでしょ?」と考えるのはちょっとお待ちを。ワイン生産者のスタイルや味わい、そして牡蠣の食べ方もいろいろあるので、それらを全部含めて「牡蠣と~が合う」とひとくくりにしては持ったいないです。ひとりひとりのお好みがあるのはもちろんですが、お酒と料理を合わせる引き出しは多いほうがいいはずです。

牡蠣+キリッと冷えた白ワインが鉄板な理由

白ワインには、リンゴ酸や酒石酸という冷やすことで美味しさを感じる『冷旨系有機酸』というものがたくさん含まれております。その冷旨系有機酸と相性バツグンなのが、『グリコーゲン』という牡蠣に豊富に含まれている旨味成分です。牡蠣にはグリコーゲンはたっぷりですが、この冷旨系有機酸が欠けています。なので、キリッと冷えた白ワインがそこに登場することで、牡蠣を上手くアシストしてくれるのです。
さらに、前述にもある「牡蠣とシャブリ」には、もう少しだけ特別な理由があります。シャブリの土壌はキンメリジャンと呼ばれる石灰が多く含まれる土壌です。キンメリジャン土壌からは、古代ジュラ紀の貝殻の化石が多く発掘されます。貝殻が含まれる土壌由来の成分により、そこで育つブドウからはミネラル感豊富な白ワインが多く造られます。牡蠣もミネラル豊富な食材なので、この2つは同調します。鉄板と言われているのには、ちゃんとした理由があるのです。

王道でもシャンパーニュならば…

シャンパーニュなら、ぜひ「ピノ・ムニエ」を主体に造られた銘柄をお試し頂きたいです。シャンパーニュの縁の下の力持ちとも言うべきピノ・ムニエ。シャルドネとピノ・ノワールを補助する存在としてブレンド比率はあまり高くありませんでしたが、近年ではピノ・ムニエ主体のシャンパーニュも現れています。黒ブドウであるピノ・ムニエから造られたシャンパーニュには、口当たりの柔らかい果実味と、程よいコクのある酸味を感じます。エレガントなポン酢のイメージです。牡蠣とポン酢の相性は言うまでもありません。また、シャンパーニュ特有のクリーミーな泡立ちも牡蠣の食感とマッチします。
「ワインも調味料の一つ」として考えてみると、相性の良い理由が、よりはっきりと見えてきます。

赤ワインでも間違ってはいません!!

一般的に敬遠されがちな「牡蠣と赤ワイン」の組み合わせですが、牡蠣に含まれる「乳酸」「コハク酸」「グルコン酸」などは「温旨系有機酸」と呼ばれ、温かい温度で旨味をます性質があります。そして、この温旨系有機酸は赤ワインと相性が良いのです。また、味噌や醤油、バターなども赤ワインと相性のいい調味料です。焼いたり、蒸したり、ふっくら火をいれた温かい牡蠣に、それらの調味料を橋渡し役にすると、赤ワインと牡蠣の距離はグッと近くなります。

偉大な赤ワインの産地として有名な、フランス・ボルドー地方は牡蠣の一大産地としても知られています。
ボルドーで生牡蠣を食べるときは、「焼いたソーセージを橋渡し役にしながらボルドーの赤ワインを飲む」という食文化があります。ソーセージの油脂分が、ボルドーの赤ワインの豊富なタンニンを、ちょうどよくマスキングしてくれるのです。
その食文化からイメージして“生牡蠣の上に、細かく刻んでカリカリに焼いたベーコンをのせてみて…”。新しいメニューのアイデアに繋がることなどがあれば、ワインとの相性だけではなく、お客様への提案や楽しみ方ももっと広がります。

ランブルスコがいい仕事をしてくれる。

ランブルスコとは、イタリア屈指の美食の都「エミリア・ロマーニャ州」で生産されるワインです。サッカーでよく名前を聞くパルマやボローニャもこの州に含まれます。そのランブルスコは、一般的には赤の微発泡ワインで、ほどよい甘みと渋み、酸味のバランスが取れたフルーティな味わいが特徴。アルコール度数は8%~11%になります。コーラをイメージさせるような親しみやすい味わいと、低アルコールからの飲みやすさで近年人気を博しています。このランブルスコと現地で定番の相性とされているのが「プロシュット・ディ・パルマ」、生ハムです。そこからペアリングのイメージを広げて…

生ハムにも牡蠣にも共通して旨味成分がたくさん含まれている。
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生ハムにも牡蠣にも共通して程よい塩味(潮味)を感じる。

もともと塩辛いものと、ほんのりとした甘みがあるものは相性がよいと言われている。

そこで牡蠣と生ハムを置き換えてランブルスコを合わせてみる。

相性いいじゃん!!

食材の共通点を探し置き換えてみることで、新しく意外性のある相性の良さを経験したこともあります。こんな楽しい経験もできるのでワインはやめられません!!

まとめ

牡蠣の他にも「宮城といったらコレ!」というような食材や料理がたくさんあります。
さすが『食材王国みやぎ』です。酒屋としても、食べて、飲んで、知ることはとても大切なことです。今後もお酒とともに、それらを皆様にお伝えしていきます。