ワインの重さ、軽さ

みなさんこんにちは。
いつもお世話になっております、吉田酒店です。

今日から8月が始まりました。
まだまだ雨がちな日が続きそうですが、気持ちだけは明るく真夏の気分ですごしていきたいです。
みなさまも体調管理などお気をつけください。

本日の吉田ブログはワインに感じる「重さ」のお話です。真夏の気分は味わえない内容ですが、お時間あれば読んでみてください。

『ワインは重た~いものをください!』ワインを注文する時によく使われる言葉です。
『重いワインって何となく濃いんだろうな…』『飲み応えがあるのかな…』というイメージは沸きますが、実際のところ「重い」と表現されるワインはどんな状態なのでしょうか?
どのようなことがワインを重く感じさせるのか…今回はそんな「重いワイン」についてみていきましょう。

「重い」とはどいうこと?

ワインでなくても日常生活で飲み物を口にするときに、重さを感じたことはないでしょうか…
例えば、のむヨーグルトと低脂肪牛乳、ともに乳製品ですが前者のほうが重たく感じませんか?「重い」ということは液体に感じる重量感です。わたしたちは知らず知らずのうちに、口に含む液体に重さを感じているのです。そして液体の重さというのは、味の複雑性や香りの広がり、テクスチャーや余韻の長さなどを表現しています。

また、ワインの味わいの豊かさを表現するときに「ボディ」という言葉も使います。

ボディ(bodied)は日本語に訳すと「体」となります。ワインは「肉付きのよい」「グラマーな」「スリムな」と表現することがあります。ブルゴーニュ型のボトルを女性的で、ボルドー型のボトルを男性的だと例えたりと、人の体に例えて表現されてきたことからこの言葉が使われています。

赤ワイン、白ワイン共に重いワインがあります。もちろんロゼワインにもスパークリングワインにも重いワインはあります。重いときにはフルボディ・中間の時にはミディアムボディ・軽いときにはライトボディ、という表現が使われています。飲んだときの一口目の印象が強く、口に含んだ瞬間に、強い風味が広がるワインはフルボディであることが多いです。そのようなワインは大体の場合、アルコール度数が高い、タンニンが多い、樽による熟成香があります。

ボディに影響を与えるものとは?

それではワインの中でも、軽やかなものから重たいものと違いが出てくるのはなぜでしょうか。

1.アルコール

ワインは80~90%が水分で、その次に多い成分としてあげられるものがアルコールです。
このアルコールこそボディに大きな影響を与える原因物質の一つなのです。アルコールが強いほどフルボディでしっかりとしたワインになり、その逆にアルコール度数が低ければライトボディで繊細な印象のワインになっていきます。一般的に温暖な場所で育ったブドウは、太陽の光を浴びてよく熟していますので糖度が高く、果実味も豊かになります。アルコールの原料となる糖分がより多く含まれるブドウから造られたワインは、アルコール度数も高くなります。

アルコールとボディの関係性は、ワインだけでなくすべての酒にも当てはまります。例えば、ビールのアルコール度数は5%前後でライトボディ、日本酒は16%前後です。ウイスキーは約40%でフルボディのイメージです。夏にはビール、冬には日本酒やウイスキーのほうがより飲みたくなります。日本の夏の高温多湿な暑さの中では、さすが重たい飲み物を口に含む機会は少ないかと思います。それに対して寒さが厳しい冬場は重めのお酒を飲みたい… 。
普段は何気なくやっていたお酒選びも実は自然なことだったのですね。

2.タンニン

ワインの中でフルボディと表現されるワインは、甘みも、渋みも、酸味も、香りも、様々な要素が強く、色調までも濃くなります。反対にライトボディと表現されるワインは、味も、酸味も、渋みも全体的に弱くなり、色も淡い傾向にあります。

このタンニンも、ボディを決める要因に関与しています。タンニンが豊富ということは、そのワインにはポリフェノールの含有量が多いはずです。ポリフェノールはブドウの皮や種に含まれているアクや渋みの成分です。ポリフェノールは様々な成分と結合して複雑な風味をつくり出します。その中の豊富なタンニンによって、骨格がしっかりとし、口内で重量感(重さ)を感じます。
赤ワインの場合、フルボディのワインと言われる要素を大きく分けると3つ、「甘み(果実味)・酸味・渋味」です。ライトボディに比べればミディアムボディ、ミディアムボディに比べればフルボディといったように、ボディにはグリセロールなどの甘み、アルコール度数やうまみ成分など、さまざまな要因が関係していると考えられます。その中でも重量感のあるワインには、タンニン(渋み)が豊富な傾向にあります。ポリフェノールを多く含んでいるからこそ、複雑さや味わいの深みが生まれるのです。

また、ポリフェノールを多く含むブドウ品種を使ったワインほどフルボディと表現されるものが多く見られます。カベルネソーヴィニヨン、シラー、ネッビオーロなどは、その代表的な品種です。

3.樽

ワインはブドウからジュースを搾り、醗酵させてから、瓶詰めをする前に熟成という工程を経るのが一般的です。ワインを熟成させるときには、ステンレスタンク・コンクリートタンク・樽などといろいろな選択肢があります。

例えばですが白ワインを樽で熟成させると、ほかのものと比べ、ワインの風味や味わいに香ばしさやコクが出ます。白ワインにおけるフルボディの要素を大きく3つに分けるとすると、「甘み(果実味)・酸味・コク(余韻)」です。もちろん赤ワインにも樽の影響はあるのですが、白ワインのほうが、よりわかりやすい影響が味わいの中に出ます。

なぜ樽で熟成させると香ばしさやコクが出るのかというと、その秘密は樽の作り方にあります。樽は、木材から成形する際に、内側になる表面をバーナーであぶってロースト加工をします。その樽でワインを熟成させることで、成形する際にできた焦げている場所から、こうばしい香りや旨味の成分がワインに移っていくのです。
樽の原料となる木材の違いや、ロースト加減にもよりますが、焼けたトーストのような香りや、バニラのような甘い香りがワインに与えられます。このように樽の影響を受けたワインは「重め」に感じられます。
逆に、ステンレスタンクで熟成させた場合は、樽の影響が出ません。なのでワインの味に果実味が素直に現れ、ライトボディやミディアムボディと表現されることが多いです。

まとめ

ワインのボディは、「どんな味わいがあるか」「どれくらい渋いのか」といった個人の感覚である「ワインの重量感」で決められます。
味の感じ方は人それぞれで、ライトボディと書かれていても人によっては「重い」と感じる場合もありますし、フルボディでも「物足りない」と感じる場合もあります。明確な基準があって決められているわけではありませんが、フルボディのワインを選ぶ一つの目安として、タンニンの含有量や、アルコール度数、そのワインの製造工程などを捉えておくことが大切です。